セカイの記録

pixivで投稿しているSSの裏話とか置くところ

CH.9 あの時、椿は自分と同じだった

どうもです。今回は

#8 約束の握手 | 音撃【魂のセカイ】

について。

 

8月頭から約3ヶ月の原稿との闘いを無事に終わらせた自分が、復帰後に書いた作品。テーマはそのまま、莉玖と椿の出逢いの話。初期の頃からずっと書きたかったんです。

 

そもそも性格が反対の2人がどのようにして出逢ったのか?何故長年の友とまでなれたのか?その答えとして、タイトルにもある"約束"があります。

時期を中学にしたのは、椿の日課って莉玖をからかうことなんですけど、多分これって大分仲良くなってないとできないと思うんですよ。そうなると、高校で出逢うには短いかなと感じたからです。 後に梨緒と出逢いますし。

出逢いの形は粗方皆さんと同じかなって。莉玖から絡んで、椿の殻を破りにいく。椿も不思議と、のめり込むように打ち解けていく。部屋に連れてってギターを弾く下りは、最初に書いたあの作品を使いました。

 

そして、後半。椿が莉玖に絶交を申すシーン。椿はこう言いました。

「私のせいで貴女には不幸になってほしくない」

「貴女もいつか私のせいで傷ついて、私から離れていく」

「私はどうせ、ひとりぼっちだから」

この時の椿は……自分と重ねていました。自分はマイナス思考に陥りやすく、自分のせいで不幸になるのではないか?傷ついてしまうのではないか?と考えてしまう。この頃の椿は例の交通事故で心を閉ざしていた。自分みたいな人間はどうせ、独りなんだ――諦めのような、そんな本心があったのです。

 

対して莉玖は、こう言ってくれた。

「オレは何があっても絶対、お前から離れない」

「お前には、もっと笑ってほしい」

「約束する。オレは絶対、お前の手を離さない」

かつて自分も、同じようなことを言われたことがあります。この時の莉玖は、椿や自分にとっての希望で、太陽でありたかったのです。

 

後にかけがえのない友になる2人の、出逢いと約束の物語。その約束はきっと、いつまでも続くことでしょう。

 

今回はここまで。では。